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IF Amplfire &AGC [受信機]

 かねてより実験中のAD603IF Ampと以前製作した2SC2348フォワードAGC IFがようやく実用レベルに纏まってきた。この実験において今まで物まね回路が主であったので、改めて回路について追求してみた。特にAGCはその出来栄えにり音質に大きな影響を与えることを改めて認識した次第である。

 【AD603 IF】

AD603-10.JPG

 AD603については以前のBlogで紹介しているが、アンプの前にATTがあり、これを制御することによりゲインコントロールを可能としている。この制御にはOPアンプと思われる回路が組み込まれており、±入力があり、電圧差で制御される。データシートにある単電源2ステージ(左図)のアンプを基本に製作してみた。この場合2pin(GNEG)に基準電圧として第一ステージが5.5V、第2ステージが6.5VにSETされている。そしてAGC電圧を1pin(GPOS)に入力している。この第1と第2ステージの電圧差1VがAGCによるATTの順序が決まる。この場合AGC電圧が7.5Vから低くすることにより第2ステージのATTがかかり始め6.5Vから第1ステージのATTが制御されることになる。
AD603single.JPG 左のグラフはAD603の単体試験のデータである。制御電圧に対して綺麗に対数圧縮され、そのダイナミックレンジも40dB近い。非常にいい特性であることが判る。これならば2ステージでのダイナミックレンジも期待できそうである。

  実際の製作は、左図のようになっている。データシートでは、かなり細かい数値の抵抗が使われているが、E12系列から近いものを使用している。AGC制御回路も当初データシートのように組んでみたがうまく動作しなかった。その動作原理もよく理解できていない。使用半導体や抵抗数値の違いによるのかよく判らない。なのでAGCはオリジナルで7.5V~4.5Vが出せるよ

AD603IF_AMP.jpg

うに組みなおしている。基本はデータシートであるが、JA1DWM 進藤OMの発表された受信機を参考にした。段間と出力に4:1のインピーダンス変換を入れている。これはAD603の入力インピーダンス100Ω、出力インピーダンス500Ωの整合を取るためである。

 

 

AD603AGC.JPGこの回路においての総合性の派左図のとおり で、-90dBm位からAGCが効きはじめ0dBmまで綺麗に制御できている。総合増幅度は75dBで有るが、測定値は8polチェビシェフフィルターを通しているのでその損失を引くと80dB近い増幅度が得られている。

AD603IF-1.JPG

 製作時の注意点として、ノイズ対策を十分行うことが重要である。当初どうもノイズが多いし、発振気味とも思える挙動であった。これについてかなり時間を掛けて調べてみると、キャリア信号が混入していることが判明した。これは、アース回路、電源回路、同軸ケーブル等色々な経路からと考えられた。そのためこの辺りを見直し、測定値にはキャリア信号をOFFしてようやく測定した。このくらいの増幅度となるとこのようなことも重要なことを改めて認識した。またIF基板のみならず、フィルタも影響を受けているようだ。フィルタのコンデンサーに手を近づけるとノイズが増えた。機器に組み込む場合はシールドを行ったほうが無難である。試験した基板はユニバーサル基板でAGC回路を収めるのに少々きつかったのでAGC回路はドーターボードとしてコネクタ接続としている。AGCを色々変更して試験する目的もあった。一応管制したので今後基板化する予定。

【2SC2348フォワードAGC IF】
2SC2348_IF.jpg AD603に取り組む前にフォワードAGCトランジスタ2SC2348を使用した3段IFアンプを製作した。当初発振してどうにもならなかったが、電源やAGC回路にRFCを入れ、各段にシールド板を付けて要約落ち着いた。特にAGCアンプもシールドは重要である。本来2SC1855フォワードAGCトランジスタを使いたかったのであるが、既にディスコンで入手できなかった。2SC2348は辛うじてまだ購入可能であった。
 回路は「トロイダル・コア活用百科」の2SC1855アンプを参考にした。AGC回路も当初トロ活を参考にしたが、効きが今一なのでこれもオリジナルに変更している。回路では、トランジスタ

2SC2348AGC.JPG

のエミッタ抵抗が原回路は100Ωであるが、2SC2348では電流が流れすぎのようであったので、300Ωに変更している。この特性は左図のようになった。これもAD603に負けず綺麗に制御できている。また増幅度も80dBであり、予想以上にうまく出来たようである。これであれば3SKタイプのIFアンプよりもきれいに制御出来ている。左の写真がシールドを十分施した基板

2SC2348IF.JPG

である。

 

 

【AGC回路】
W1FbAGC.JPG  上記2例のAGC回路は、当初オリジナル例を採用したがうまく動作しなかったので、W1FB著「W1FB DESIGN NOTEBOOK」128頁の回路(左図)を採用したがこれも動作が今一歩であったため、これを基本として簡素化し、且つブレッドボードを活用しOPアンプの動作方法を改めて確認した。非反転増幅、反転増幅、シフト、オフセット等であり、結構な時間を費やすこととなった。いまさらではあるが。
 まずAGCアンプである。今回は80dBの増幅度が有るIF回路であることから、AGCのダイナミックレンジも大きい必要がある。そのためにはAGCアンプで増幅し低いレベルからダイオード検波出力が発生する必要がある。その為2SK125ソース接地アンプとし負荷は1mHのチョークコイルとしている。オリジナルはFETとPNPの複合回路でありよく理解できない。
FETのコレクタから取り出した信号を1N60倍電圧検波で直流とし平滑にコンデンサーと抵抗を入れている。これにより決定されるのがAGCの時定数となる。次にこの検波電流を必要な電圧、電流に加工しなければならない。この変換回路に必要な要素として入力インピーダンスが時定数に影響を与えない程度に高い必要がる。sのためにFETとOPアンプを使用している。
AGC.jpg AD603-IFの場合は、信号が大きくなり、検波電圧が増加したときに、逆に7.5Vから下がっていく回路とする必要がある。このため最初にFETのソースフォロワー回路で入力インピーダンスを確保しOPアンプの反転増幅回路に入力している。非反転増幅には、電圧シフトを行うために半固定抵抗で無信号時AGC電圧が7.5Vとなるように調整している。
 2SC2348-IFは、フォワードAGCなのでトランジスタの電流を増やしていくことにより増幅度を下げることになる。従ってAGC電圧を上げることにより制御させる必要がある。電流-増幅度特性を調べるとAGC電圧3VでMAX、7V位でMINとなった。従ってAGC電圧を検波電圧で3~7.5Vに変化させるような回路構成とする必要がある。AGCアンプ及び検波部分はAD603のものと同じである。検波電圧は信号強度に従って0.2V程度から増加する。これを3Vから増加するようにする。これには非反転で電圧シフトが出来る回路とするのであるが、非反転シフト回路は、回路構成から入力インピーダンスが、低くなるため、デュアルオペアンプを使用し、最初に非反転バッファの高インピーダンスで受け、この出力を非反転シフト回路で必要なシフトを行っている。
 Sメータ回路はAGC電圧を利用し電流調節抵抗を通し、Sメータゼロ点の電圧シフト回路(固定と半固定抵抗)回路で構成されている。これはW1FB回路そのものである。尚、調整時や立ち上げ時にSメータが逆ぶれすることがあるが、これを嫌うなら、直列にダイオードを入れれば解決する。尚、フォワード用とリバース用ではSメータの極性が反対であるので、注意が必要だ。
 今まで、AGC回路も色々製作例をまねて作っていたが、結構複雑な回路を使用していることが多い。今回の回路は結構簡素化できたと思う。電気理論的に有っているかどうかは不明であるが、綺麗に制御できているので良しとしている。
 Blog等でお世話になっているJH8SSTさんがこの回路を実際に作られ、うまく動作したとの報告を頂いたので少し安心している。当分私のAGC回路の標準となりそうだ。

【使用感】
 今回のIF回路で重要なことは、実際に使用したときの聴感である。これが旨くなければ何もならない。
 7MHzTEST受信機に組み込んでみたが、でどちらのIFも旨く動作している。AGCの効きも問題が無い。音質についても特に気になることは無いようだ。しいて言えば、2SC2348IFのほうが無信号時のノイズが大きい。7Mhzのような高ノイズのバンドではまったく気にならないが、将来VHF等の受信機を製作したときに気になるのかどうかであろう。多分大丈夫と踏んでいるが。

【まとめ】
 今回はIF回路とAGC回路であるが、それぞれの要素において色々なノウハウが必要であること、また回路単位ではなく組んだときの総合的なアースや電源回路、同軸の引き回しなど、色々なところに課題があることがよく分かった。今後はこのようなことにも注意して製作することにしよう。

 

 

 

 


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コメント 2

JH8SST/7

JA2NKD OM, 素晴らしい集大成です。フォワードAGC IFとAD603 If、AGC回路をここまで詳細に検討した結果をみたことがありません。また、個別回路のデータ測定結果は散見されるものの、全体をまとめて受信機として動作させて、その聴感まで踏み込んで検討した例も、これまで全く見たことがありません。

AGC回路は私の受信機でも定番として使わせていただきます。W1FBの回路を簡略化しつつも高性能化に成功されたこのAGC回路は、RD15HFV1 JA2NKD式リニアと同様、自作リグの標準回路になる性能と汎用性を兼備している、素晴らしい回路と思います。
by JH8SST/7 (2016-03-27 19:23) 

JA2NKD

SSTさん コメント有難うございます。回路はまだまだ自信がありませんが、出来るだけ実使用のコメントを入れていきたいと思います。アマチュアなのでおかしなところがあるかもしれません。お気づきの事等があれば、またコメントをお願いいたします。

by JA2NKD (2016-03-27 21:07) 

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